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「圭太が決まったらさ、打ち上げしようねっ。この夏遊べなかったし。」
「だね。」
「でもさぁ、圭太って何で決まんないの?尚子知ってる?」
志保が心配そうに呟く。
「いや、私に聞かれても困るんだけど。」
「ごめーん。遅くなったーっ。てか、暑いっ。頂戴、これっ。」
突然話に割り込んできたと思ったら、私が手にしていた麦茶を奪い一気に飲み干した。
「おいしっ。生き返ったぁ。」
「ちょっと、愛ー。それ私のなんだけど。しかも、志保と同じレベルだし。麦茶で生き返るって…、どんなよ。」
私がブツブツ文句を言っていると、気にしないの、と向かいに座る志保の隣に腰を下ろす。
清水 愛、私達仲間内の一人。もっぱらマイペースな我が道を行くタイプ。たまにイラッとするけど、大概許せちゃうんだよね。
「何話してたの?」
麦茶を横取りして落ち着いた愛が志保に聞いた。
「早く打ち上げしたいよねって。」
「あー。そっか、あと圭太だけだもんね。ねぇ尚子、どうなの?圭太。」
「だから、何で私に聞くのよっ。何にも知らないってば。」
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