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唯が二人にお茶を淹れて、私の腹の痛みが治まってきたところで二人に説明する。
と言っても、今話せるのは私が原因不明で男になってしまったことと、さっきあんなことになっていた理由だけ……。
それにしても、遥菜の蹴りは強烈だった。
昔空手をやっていたおかげか、結構打たれ強い私でも痛みに耐えられなくて、若干涙目になった。みぞおちに入ったせいかな。
「まあ、さっきのはあたしも悪かったとして……天が男になったなんて信じられない!ふざけてんのか!?」
立ち上がって声を上げる遥菜。私と同じく結構口調が荒い。声もよく通るから、怒鳴り声が部屋にかなり響く。
吊り上がった目が、私を睨む。
「おい!お前!本当に天なのか!?」
「当たり前だろ。お前は中井遥菜で、剣道部。んでそっちは早乙女佑奈で……」
「名前とかは唯から聞いたんだろ!?」
「違うって!私は正真正銘、お前らのよく知る綾瀬天だ!!」
「あたしらが知ってる天は女だ!!お前は男だろ!?天を何処にやったのよ変態!!」
「変態じゃねぇぇえ!!だぁかぁらぁッ、なんか知らないけど男になっちまったんだって!!」
「そんな訳ないだろ!!有り得ない!!」
あー、もう!信じてくれない!
唯は見てるだけだし、佑奈は私と遥菜を交互に見て黙ってお茶飲んでるし!!
つか、唯にフォローしてほしいのに!!
「とぼけるのもいい加減にしろ!!」
「そっちこそいい加減信じろ!!」
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