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「……本当に天なんだね」
ずっと黙ってた佑奈のそれで、私と遥菜の言い合いはピタッと止まった。
佑奈を見てみると、とびきり優しい笑みを浮かべていた。
誰にでも優しい佑奈だけど、その独特の雰囲気が滲み出る表情は私達四人の間でしか見せない、謂わば特別な笑顔。
て、天使だ……!
「佑奈?本当にこいつ……」
「二人の言い合いが何よりの証拠。遥菜も薄々気づいてるでしょ?」
「っ!」
遥菜はハッとしたような表情になって、じっと私を見つめる。
半信半疑、ってヤツか。
そんな遥菜に唯が助言。
「目、同じでしょ?」
やっと信じてくれた。遥菜はコクンと小さく頷いた。
やっぱり目は変わってないらしい。それより……、
「お前、疑いすぎ」
「ッッ!う、うるさい!!」
遥菜はドカッと座り、お茶を飲んだ。
顔を真っ赤にして、怒ったっぽい。逆ギレですかー……まあ、いつもこうだからいいけどさ。
とりあえずこの場は丸く収まった。
現在、7時少し前。
さすがにこれは時間ありすぎだろ。ったく。
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