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現在、午前10時過ぎ。あれから3時間ほど経過した。
この街でスーパー等の店が開くのは早くても9時なので、私達はそれまでずっとトランプで遊んでいた。
唯がテストが近いから勉強しようと提案したが、私と遥菜で断固拒否!
そんなわけでずっとババ抜きやら大富豪やらやっていた。
今、私は部屋で一人。唯と遥菜と佑奈は“今の”私に合う服を買いに行ってくれた。
だから一人でジェンガをしている最中なんだが。
「虚しい……」
緊張感はあっても、こう、盛り上がりがない。
たとえ崩れても、安堵の息をする唯も、小突いてくる遥菜も、困ったように微笑む佑奈もいない。
彼女らが出掛けてから約1時間。
部屋には上手く引き抜くのに成功した私の『よっしゃ!』という喜びの声と、時計の音だけが響いていた。
そんな虚しさも遂に終わる。
「ただいまー!」
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