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ぼーっとしている内にコートは完成していた。
チームは事前に先生が決めていたみたいだ。壁に『チーム表』と大きく書かれた紙が貼ってある。
私は────佑奈と一緒か。
「佑奈ー、頼んだぞー」
「う、うん」
話し掛ければ相変わらずの挙動不審っぷり。中二からの付き合いだというのに。
あれか、全部任せる感じに言ったのがいけなかったか?
第一試合は唯達の班だ。おっ、遥菜もいる。二人ずつ、綺麗に分かれたんだな。
コートに入って、やっぱり違和感を感じた。
低い。そう、ネットがいつもより低く見える。
本当に背が伸びたんだなッ。それは素直にマジで嬉しい!
みんなに見えないように小さくガッツポーズ。
でも、遥菜には気付かれたようで。頭にボールが飛んできた。
「痛ェ!!頭はねぇだろ!!」
「うっさい!醤油一リットル飲んで死ね!!」
どこかで聞いたことあるセリフだが、敢えてスルーしよう。
すると、またボールが頭に飛んできた。
また遥菜か、と思ったが違った。先に試合を始めたところから飛んできたものだった。
ある意味素晴らしいコントロール。
ボールを取りに来た子は何度も頭を下げて戻って。それを見て遥菜は声に出して笑っていた。
「ひでぇ、ロクなことがないよ……」
「ほ、ほらっ。試合始まるよ?」
色々とボロボロの私には、試合前の挨拶をする気力もなかった。
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