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気力がない、なんて言ってられない。今は授業中だ。しかも体育で、バレー!
別にバレーはそれほど好きではないが、チームなんだし、真剣にやらないとな。
顔を叩いて気合いを注入!
サーブは相手から。
「いきまーす!」
私達が構えたのを合図に相手が手を上げて言った。
あっ。あれ、秋山じゃん。
ボールを浮かせて、勢いよく手を振った。ボールはこちらに向かってきて────
バフッと音を立てて、跳ね返った。
……跳ね返っ…た……?
「ごめーん、やっちゃった!」
頭に手を当てて舌を出し、こちらにも聞こえるぐらいの声でテヘッと言った。
秋山のサーブは失敗したんだ。
ボールはネットに引っ掛かって戻っていったみたいだ。
気合いを入れた分、抜けたものも多かった。
サーブ権はこっちに移った。
サーブは……佑奈。うん、大丈夫だな。サーブ上手いし────
バフッ!
そうそう、そうだよ。さっきみたいにネットに引っ掛かって跳ね返ることなんて……、は?
「ご、ごめん。やっちゃった……」
馬鹿なッ!あの佑奈が失敗しただと!?
百発百中!サーブのテストで満点で完璧だと褒められた佑奈が!?
「わぉ!早乙女さんに伝染したー!!」
秋山がそう言うと、ここは笑いに包まれた。みんな笑ってる。
佑奈も顔が真っ赤だけど、笑ってた。
私も笑いたかったけど笑えなかった。
多分それ以上に驚きと今日の少しの時間だけで溜まった疲労で、薄い作り笑いしか出来なかったんだと思う。
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