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またサーブ権が移って、ボールは相手側へ。
もうさっきみたいな事態にはなってほしくない。引き分けで終わりたくないな。
秋山の時と同じように、こっちに一声かけてからサーブを打ってくれた。
今回は綺麗にこっちのコートに入ってきて、チームの一人がレシーブ。するとそれはそのまま相手の方へ。
緩いボールは簡単に相手に取られた。レシーブで高く上がったボールは誰かがトスを上げようとしたが失敗。
しかし床に落ちるギリギリのところで、唯が取って返した。
唯、すげぇ……。
っと、感心してる場合じゃないな。
返ってきたボールはネットにギリギリのところに入ってきた。
ちょうどその位置にいたので、何とか取った。それを別の人がトスを高く上げて……、
「天ちゃーん!お願いッ!」
「っしゃあ!!」
一、二、とリズミカルにボールの真下に来て、落下してきたのに合わせてジャンプして、思い切り腕を振り下ろす。
バシンッ!という凄い音を立てて、ボールは相手コート内に入った。
スピードがあったそのボールを、誰も止めることが出来なかった。
あれ?今のって……、
「すっごぉい……!流石天ちゃ……じゃなかった、天くん!!」
「いや、言い替えなくていいから!」
さっきトスを上げてくれた子にツッコミ(のつもり)。
今のスパイクでか、チームのみんなが拍手をしていた。
正直、自分でも凄いと思う。
だってさ、綺麗に入ったんだよ?今のバレー部っぽかったんだよ!?
今までスパイクが入ったことなんてあまりなかったから、尚更嬉しい!!
まあ、当然ながら怒りに震える奴がいるわけで……、
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