ハラハラドキドキ?新しい学園生活の始まり!

30/32
前へ
/130ページ
次へ
時刻は、6時ちょっと過ぎか。 良かった、まだ食堂が開いてないから、おそらくみんな自分の部屋にいるだろう。 一人の時にあまり関わりがない誰かと鉢合わせするのは嫌だから、心底安心している。 こうして階段を登っている今、自分の足音以外何も聞こえない。嗚呼、良かった。 漸く四階に辿り着き(言い忘れていたが、私達の部屋は四階にある)、自室の前まで来た。階段の近くにあるからこういう時は楽だ。 やっと、やっと……やっっと部屋に入れる、休めるんだ。嗚呼、長かった。今日一日、ひどく長かったよ。 さあ、今、安らぎの我が部屋へ……。 「ただいま────」 「あっ。お帰り、天」 「遅かったな」 「お邪魔してるよ」 「……あ?」 なんで遥菜と佑奈がいんの? 「ほら、来週からテストでしょ?天を待つついでに勉強してたんだよ。あっ、お茶淹れるね」 私の心の声を聞き取ったのか。唯が説明してくれた。 なるほど。よく見るとテーブルに数学やら英語やら、参考書みたいなのとノートがある。 実はこの三人、成績上位者に必ず入っている秀才。 唯は主に現代文などの文系に、遥菜は主に数学などの理系に、そして佑奈は全体的に。 ……私? ハハハ、赤点じゃないだけいいよ。数学は別だけど。 あ、でも、生物は得意だ。生物だけは80点以下を取ったことがない。 生物だけ、ね。英語もまあまあ。 「テスト、ねぇ」 「お前、忘れてたのか?」 「いや、ちゃんと覚えてるけど、私には関係ないなぁと」 「お!お!あ!り!だッ!」 相変わらず過激な遥菜さん。 分厚い参考書で私の頭を殴った。
/130ページ

最初のコメントを投稿しよう!

206人が本棚に入れています
本棚に追加