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「い゛ッッ!?ちょっ、か、角!?」
「いや、縦」
「どっちにしろ痛ェわ!!」
恐るべし参考書。
付箋がいっぱい付いてる参考書。
英語の参考書。
後ろに『早乙女 佑奈』って書いてある参考書。……ってオイ。
「それ、佑奈のじゃねぇか!」
「うわっ!?あ、あたしとしたことが!ご、ご、ごめん佑奈!!」
顔を赤くして佑奈に頭を下げてる。素で間違えて使ってしまったらしい。そしてそのことを本当に申し訳なく思っているみたいだ。
こうして見ると、なんか……、
「遥菜って、かわ……ッ!?」
顔面に、柔らかいけど痛い何かが飛んできた。きっとクッションだろう。
うん、クッションだ。
ひどい。そんな悪いことを言うつもりじゃなかったのに。
いや、言うタイミングが悪かったのか。
あの時に言ったら馬鹿にされたように思うのかな。
はぁ、と溜め息をついてクッションを置き、自分の机に鞄を置く。
それからネクタイを外して、ソファに倒れるように座った。
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