ハラハラドキドキ?新しい学園生活の始まり!

32/32
前へ
/130ページ
次へ
わからないところを一生懸命教え合っている二人をぼーっと見ていたら、視界の横からカップが出てきた。 私のお気に入りの、リアルな犬の絵がプリントされているカップ。 視線を斜め上に持っていくと、微笑んでいる唯の顔があった。 「はい。お待たせ」 「おぉ、サンキュー。時間かかったな?」 「お茶、遥菜達に出したのが最後だったみたいでね。ココアにしたから」 お湯を沸かしてたからか。なるほど。それなら時間かかるな。 確かにカップの中にはココアが入ってる。牛乳を入れたんだろう、白いラインみたいなのがある。 「あ、そうそう。今日の晩御飯も私が作るから」 「食堂に行かないの?」 「うん。だって、疲れたでしょ?」 これ以上疲れがたまったら倒れちゃうよ、と付け足し、キッチンへ行ってしまった。 まあみんな揃って食べる給食じゃああるまいし、利用は自由だからな。 それに、唯の言う通りだ。もう倒れそう。 唯に世話になってもらってばかりだ。いやいつもそうだけど、今日は特に。 いつか必ずこの恩を返そうとか考えながら、ココアを啜った。 「──で、お前らも食堂に行かないのか?」 「そうだよ。天が帰ってくる前にあたしらで決めたことだからな」 「そうなのか!?唯!」 「うん。大勢の方が楽しいし、二人に教えてもらいたいとこもたくさんあるし」 「ご、ごめんね。私までご馳走になるなんて……」 「あー……まっ、いいか」
/130ページ

最初のコメントを投稿しよう!

206人が本棚に入れています
本棚に追加