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「うおわあああああああああああ────ッ!!!!?」
振り払おうと飛び起きると、一昨日の朝のように天井に頭をぶつけた。こりゃ絶対こぶが出来たな。
痛みに耐えて目の前を見てみると、唯はいなかった。
あるのは布団と、私の足。
何だ、夢か……いきなり夢オチかよ……ビビった。
「どうしたの!?」
ヒョコッと梯子のところから唯が顔を出した。
あんな夢を見たのもあって、肩が大きく跳ねて、無意識で体がベッドの端に移動した。
現実の唯だ。顔だけ出してるから服装はわからないけど、さっきみたいに頬を染めていなければ、瞳も潤んでいない。ってか凄く心配そうな目をしてる。
もう一度。
現実の唯だ、普通の唯だ!
「おぉ、お、おはよう、唯……」
「大丈夫?汗びしょびしょだよ?」
「あ、あぁ。平気」
「シャワー浴びてきたら?」
「いや、そんな時間……」
そんな時間、あるのか?と言おうとしたが、食べ物の匂いがしなかったのと、唯に寝癖がついていたのとで、直前で止まった。
普段私が起きる頃、唯は既に起きていて、朝御飯を作っている。当然、髪型は整えてある。
何も匂いがしないのはサンドイッチだけだからとかかもしれないけど、寝癖がついてるのはおかしくないか?
と言うことは、唯は今起きたばかり。普段早起きの唯が今起きたのだから……
「シャワー、浴びてきます」
「いってらっしゃい」
唯が梯子から降りた後、私も降りた。
シャワー浴びるついでにすぐに着替えようと思い、制服を持って風呂場へ向かった。
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