パニック!

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「それにしても……」 「ん?……んぐおっ!!?」 今度は正面からギュッと抱きつかれ、一瞬息が止まる。 本当にギューッて、ギュウウウッてなってる。どうしたんだ急に! 「あ~、細くてちょっと固いけど、抱き心地いいわぁ……」 おいおい、語尾にハートマークが付いてるような声ですよう? まだ寝惚けてるのか? つか……、 「はーなーれーろー!!」 「なんで?いいでしょー女の子同士なんだしぃ……」 女の子同士って言ったってなぁ、今の私は男だ! そりゃあ心は女だろうけどさ! 「ふにゃあ、あったかーい……寝れる」 「寝るなぁぁ!!唯っ!マジで離れろ!」 「だからなんで?」 「暑苦しい!」 「まあまあ~」 「はぁーなぁーれぇーろぉー!!」 唯の肩を掴んで押し剥がそうとしてみるが、一向に離れる気配なし。 更に強く押してみても、やっぱり離れようとしない。 意地になって、もっともっと強く押してみる。 テーブルの近くで暴れたのが間違いだった。 足をテーブルの脚に引っ掛けてしまい、そのまま倒れた。 唯は抱きついたまま。このまま倒れると唯が潰れる!! 咄嗟に手を出した。しかし、それも間違いか? 「うわっ!?」 「あっ……!」 唯は手を離して床に落ちて、私を見上げる。私は床に手をついて、唯を見下げる。 これは俗に言う、押し倒した、ってヤツ? 段々唯の頬が赤に染まっていくように見える。照れてる?押し倒した相手が見た目は女じゃなくて男だから? いや、こういう時、相手が女でも照れる奴はいるかな。 嗚呼、なんてベタな展開なんだろうか……と思いつつ、私まで恥ずかしくなってきた。 「ご、ごめ……」 「唯~、天~?どうかした~?」
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