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物凄い轟音が彼、真城晶の横で鳴り響いた。横にあった鑑賞用の巨岩を軽々と破壊。砕けた巨岩からは煙が上がる。
「す、すすす、すいましぇんでした!! そ、その……不注意で……」
「駄目よ。アンタはよりによって、私の不機嫌な時にぶつかってきた。それだけで万死に値するわ。……でも、流石に可哀想だから、二分の一殺しで勘弁してやるわ。感謝なさいよ」
いやいや、と晶は心の中で泣き叫ぶ。
それは最早半殺しであること。謝ったのにも関わらず、半殺しな目に遭うこと。
何故だ、と。
登校二日目で命を狙われるなど、どの漫画の世界でも無いだろう。
しかも、日本人らしからぬ金髪をした、こんな美少女に。
そうだ、これは夢なんだ、と現実から目を背けた晶は、懐かしき過去を思い出しながら、瞳を閉じた。
バチバチバチと、千羽の鳥が鳴くような声が目の前でする。
死期は確実に迫っている。
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