480人が本棚に入れています
本棚に追加
/70ページ
晶には晶を含めて四人の家族が居る。父の昭紀は科学者で、この世界にある超能力のことを調べている。
超能力とはスプーン曲げとか物を空中に浮かせるといった、極ありふれた力のことをいう。
この超能力を応用し、様々なことを出来るようにと研究しているのが昭紀の仕事だ。
母の衿子はそんな昭紀の仕事をサポートしている。
故に、研究所に引き籠っている昭紀と衿子は年に十回も満たないくらい帰ってこない。
最後に、妹の愛流。
中学三年生で、今年、聖嶺学園に見事合格した。晶は常日頃から愛流とは頭の出来が違うと思っている。
だからか、聖嶺学園に合格したのは必然だ、と半ば諦めながら愛流に祝福の言葉を捧げた。
「お兄ちゃん! 何それ!?」
後ろから元気を具現化したような声が聞こえた。
「……ん?」
混乱して、迷走中だった晶を現実に呼び戻した愛流は、いつものように晶が座っているソファーに密着して座る。
いつもと同じアホ毛が立っている。直さないのか、と常日頃晶は思っているが、口には出さない。
「これは……あんまり分からないけど、聖嶺学園の入学許可証、かな」
不可解極りないこの文書をどう説明したら良いのか分からなく、そんな簡単な説明をした。
一方、愛流は目を輝かせながら晶を見ている。
そして。
最初のコメントを投稿しよう!