第1話 登校初日、最強に出遭う

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「やったあああっ!!」 「へぶッ!!」 奇声にも似た喜びの声を上げながら愛流は晶に抱き着いた。顔面を両腕でロックし、逃がさないようにする。 そして、晶の顔面は女の子特有のバストに埋める。バストには自信がある愛流の胸に挟まれる晶の顔面。 「へぶへあぶーッ!!」 最早、何を言っているのかは定かではないが、声の質量からして、苦しみもがいてるようだ。 酸素を。俺に新鮮な酸素をおくれ、と切に願う晶。 「あっ! ……お兄、ちゃん。息が……服を通って……!」 息を荒くする愛流。 息をさせてくれ、酸素を、と愛流の胸の中で願う晶。 「……あっ、ごめん。それじゃ息、出来ないね」 「ブファッ!!」 酸欠の一歩手前の晶は、陸に上がった魚のように口を何度も開け閉めしながら、酸素を肺に吸入する。 「こ、殺す気かッ!!」 「ごめんね?」 舌を出しながら謝る愛流。 そんな愛流に別段、悪気があったわけでもなく晶は「気を付けろよ」と、だけ言って、また聖嶺学園からの文書に目を落とす。 「でも、どうして?」 晶と同じ疑問を愛流は晶に質問した。
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