Ⅰ.錬金術師

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一人が女の子だったってヤツでしょ?」 「以外だよね~」 少女達は今朝のニュースの話をしている。 「結構可愛いくね?」 「ハハハ。16歳だっけか?お前って年上好きなのか?」 「ちげーよ!!」 少年達も今朝のニュースの話題で盛り上がっている。 (煩い奴ら…) ティーラはカツラの髪をいじる。 「あ、もうこんな時間だよ。走らないと!!」 ティーラは少年少女達の話を聞き流し、その場から走り去る。 科学専門学校 「ふぃ~。お早うございまーす!!」 ティーラは頬を流れる汗を拭う。 「おはよ。ティーラどうしたんだ?汗流しちゃって」 最初に話かけて来たのはティーラの同級生のマスーヌ・クロンだ。 頭は良く、優しいと評判なのだ。 「いや~。遅刻しそうになってさ」 ティーラは席に座る。 「そうだ、お前大丈夫なのか?」 マスーヌは小声でティーラに聞こえるように体を少し近付ける。 「少しヤバイかも」 ティーラは背中を丸める。 「誰があんなビデオ撮ったんだろ?」 マスーヌはティーラの親友で、ティーラの秘密を知っている一人だ。 「ま、普段は変装してるし大丈夫でしょ?」 ティーラ伸びをする。 「あれ?セイラは?」 ティーラの横の空いている席を見る。 「あれ?いないな。遅刻か?」 マスーヌは、はははと笑う。 「さあ」
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