Ⅰ.錬金術師

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ティーラは苦笑する。 (嫌な感じがする…) ティーラは時計を見る。 結局セイラは来なかった。 放課後の部室。 「結局来なかったよねー」 ティーラは机に足を乗せる。 「そうだな。どうしたんだろうな」 マスーヌは机の上にドカリと腰を降ろす。 「おい。何やってんだよ。さっさと支度しねぇと鉤閉めるぜ?」 鍵を見せる少女は、エージュ・エーゼン。 女なのに男みたいな喋り方が特徴な変わった子。 「わー!?分かったよ!!今出ますから!」 ティーラは慌てて支度する。 「ねぇ、エージュ。セイラの事何か聞いてる?」 階段を降りながら聞く。 「何故、俺に聞く?直接セイラの親に聞けば良いだろ」 エージュはティーラを睨む。 「まぁ、そうなんだけどさ~。聞きづらいしさ」 ティーラは苦笑する。 「だったら、最初から俺に聞くな。馬鹿」 エージュはべっと舌を出す。 「ば、馬鹿って何さ!!」 ティーラは顔を真っ赤にして反論する。 二人が通りかかった電気屋に置いてある大型テレビのニュースが耳に入る。 <続いてのニュースです…> ティーラの淡い黄色の瞳には見覚えのある顔が映った。 「エ、エージュ!大変だよ!!」 ティーラはエージュの鞄を引っ張る。 「ちっ。何だ、よ…」 エージュの表情が固まった。 「セイラの事だよね?」
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