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ティーラは苦笑する。
(嫌な感じがする…)
ティーラは時計を見る。
結局セイラは来なかった。
放課後の部室。
「結局来なかったよねー」
ティーラは机に足を乗せる。
「そうだな。どうしたんだろうな」
マスーヌは机の上にドカリと腰を降ろす。
「おい。何やってんだよ。さっさと支度しねぇと鉤閉めるぜ?」
鍵を見せる少女は、エージュ・エーゼン。
女なのに男みたいな喋り方が特徴な変わった子。
「わー!?分かったよ!!今出ますから!」
ティーラは慌てて支度する。
「ねぇ、エージュ。セイラの事何か聞いてる?」
階段を降りながら聞く。
「何故、俺に聞く?直接セイラの親に聞けば良いだろ」
エージュはティーラを睨む。
「まぁ、そうなんだけどさ~。聞きづらいしさ」
ティーラは苦笑する。
「だったら、最初から俺に聞くな。馬鹿」
エージュはべっと舌を出す。
「ば、馬鹿って何さ!!」
ティーラは顔を真っ赤にして反論する。
二人が通りかかった電気屋に置いてある大型テレビのニュースが耳に入る。
<続いてのニュースです…>
ティーラの淡い黄色の瞳には見覚えのある顔が映った。
「エ、エージュ!大変だよ!!」
ティーラはエージュの鞄を引っ張る。
「ちっ。何だ、よ…」
エージュの表情が固まった。
「セイラの事だよね?」
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