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下を通る影が見えた。
「俺達に気付いてねぇみたいだぜ?」
人影は人が全く通らない裏道を通っている。
何かを引きずる音と共に。
「ねぇ、あの大きな白い袋なんだろう?」
ティーラが指をさす袋は、何か見覚えのある形をしていた。
「人間が入ってるとか言わねえよな?」
エージュの瞳は父親の実験台となり、透視能力を持ってしまったのだ。
「う、わぁ。あいつらだぜ。事件の犯人」
「え?え??じゃあ…あの中に入ってるのって人?」
ティーラは瞳を丸くする。
「ああ。暗くて良く見えねぇが、女の子だ。…あれ?」
エージュは考え込む。
「女の子って!?まさか、セイラって事ないよね?」
「いや。可能性はある!」
エージュは足に力を入れる。
「待って!私が行くから」
ティーラは上着をエージュに渡し、白衣のポケットから伊達眼鏡を取り、付ける。
「何してるの?君達」
男、二人が振り向く。
「なんだぁ?この小娘は?俺達の邪魔すんなら金髪じゃねぇが、体を切り裂いてやる」
ダニ声の男が笑いながら話す。
「ねぇ、知ってるかい?王族狩りが大好きな少女の事」
ティーラはショートヘアを揺らす。
「俺達と組めば沢山殺れるのになぁ。俺達と同類…がぁッ!?」
大柄な男が後ろへ突き飛ばされる。
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