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「ジーン!ねぇ、ジーンってばぁ!!」
屋根の上で寝ている少年を揺さぶる少女は笑顔だ。
「うわっ。何だよ。落ちるだろう?」
青色の長い前髪を揺らして少女を見上げる。
「だって、だって!!僕やっと、一人前の魔術師になったんだよ!?」
少女は淡い黄色のショートヘアを揺らす。
「俺言ったよね?ティーラには向いてないって。姉さんも言ってたろ?」
ジーンは「はぁ」と溜め息を溢す。
「で、でもさ、才能が無くたって出来るんだよ!?」
ティーラは腕を大きく振る。
「…どうなっても知らないよ」
ジーンはぷいっと、そっぽを向いた。
こんな微笑ましい時間はいつまでも続くと思っていた。
一週間が経った事。
街に異変が起きた。
二人は目を疑う程だった。
街が燃えていた。
二人は先生の言葉を聞かず街へ向かった。
そこで見たものは、『死』だった。
こんな地獄のような風景になったのも、自己中心的な考えしか持たない王族のせいだ。
それから、王族を憎み、悪夢のような世界に入ったのだ。
そんな、事件から6年。
王族殺しが発生し、人々を苦しめている。
しかし、人々の中には二人を『救いの神』と呼ぶ者も少なくない。
二人の行為は人では出来ない。
つまり、何かに囚われているのだ。
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