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雨が降っている。
だが、建物の中には全く聞こえない。
「ふぅん。結構良い家に住んでんのね。ここの王族は」
何も無く、ただ大きく広い。
「無駄に広いね~。これじゃあ、僕が有利になるだけ♪」
少女は辺りを見渡す。
物音一つ無い空間に靴音が響く。
「誰?」
少女は静かに問う。
「貴女こそ。部外者では?」
柱の陰からモデルのような長身の女性が出て来た。
「貴女は誰ですか?」
女性は少女に問う。
「科学者とだけ答えておくよ」
少女はひらひらと手を振る。
「フザけた事を!!」
女性は黒い瞳を少女の眼鏡越しの淡い黄色の瞳を見る。
少女はただ、その視線を受け取るだけ。
少女はいきなり笑い出す。
「何がおかしいの?」
女性は少女を睨む。
「だって貴女、面白いんだもん」
少女はお腹を抱えて笑う。
「何が面白いの!?本気で殺―…」
女性は固まった。
「だって、貴女がここに住んでる王妃でしょ?僕を騙そうだなんてさぁ」
少女は女性をある場所に追い込む。
「きゃあああ!」
いきなり柱が倒れて来た。
「バチカン第二王妃バナリタ・ダタン。今から貴様の処刑を始める」
少女の瞳は怪しく光る。
「う…ごほっ」
バナリタは血を吐く。
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