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内臓が傷付けられたのだろう。
「フフフ。ほら、早く抜け出さないと死んじゃうよ?…まぁ、ある事を教えてくれるなら、助けてあげても良いかなぁ~?」
少女はバナリタの目の前にしゃがむ。
「…ある、事…?」
バナリタは苦しそうに少女を見上げる。
「そ。ロゼ・ダタンの事について」
少女はにこっと笑う。
「ロゼ…?ぁあ、姉様の事…。姉様は、バチカンの一番大きな白に住んでいる」
バナリタは笑う。
「有難うね、王妃様。特別に僕の名前を教えてあげる」
少女は立ち上がる。
「名前?」
「そ、名前。僕の名前はティーラ」
ティーラと名乗った少女はくるりとバナリタに背を向ける。
「あら?何処に行くの?敵に名乗った上に、背を向けるなんて」
バナリタは妖しく笑う。
「殺され無いから背を向けてるの」
ティーラはポケット小瓶を出す。
「何をする気…?」
「僕は科学者だよ?実験だよ。じ・っ・け・ん」
キュポン
小瓶の蓋を取り、中に入っている液体をバナリタにかける。
「人間の脂肪+油に火付けたらどうなるかな?」
シュッ
ボッ
危ない笑みを浮かべながらマッチに火を付け、バナリタに落とす。
火がバナリタを包む。
「っ…!!!」
バナリタは声にならない悲鳴をあげる。
翌日、柱の下敷になった焼死体が発見された。
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