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「…あれがティーラか。思っていたより凄腕の科学者だな」
何かが動き、消えた。
「…?何かいた?見られちゃったかな?まぁ…良いや。どうせ正体バレちゃうだろうしさ~。それに、正体が女子どもで凄腕の科学者って知ったら…フフフ♪」
ティーラは笑いながら街を歩く。
「そこの君…お嬢さん」
ティーラはうんざりした顔で振り向く。
「はい?なんですか?僕忙しい…」
「貴女が『救いの神』だろう?」
男の言葉に表情を"無"にする。
「何が目的?」
「魔術師の事が知りたい」
「却下」
ティーラは即否定する。
「僕はね、魔術師に知り合いなんていないの。バイバイ、マント男さん」
ティーラは男の言葉を聞かず立ち去る。
「なんだよ…。冷たい奴だなぁ。久しぶりの再会なのに」
男は呪文を唱えると、炎が散ったように消えた。
ティーラに不幸が来るとは思って無かっただろう…。
翌日とんでもない事が起きた。
いつものようにテレビをつけて、いつものようにニュースを見る。
「んなぁー!?」
ティーラは勢い良く椅子を倒して立ち上がる。
「どうしたの?姉貴」
ティーラの向かいに座っている少年は姉の叫びを聞いて驚く。
「なんでニュースに僕の姿が…!?」
テレビ画面に、ティーラの姿が映っていた。
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