Ⅰ.錬金術師

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「あれ?姉貴が映ってらぁ…。どうすんの?」 「どうするも、こうするも…。外歩けないじゃん…」 ティーラは弟の問いに力無く答える。 「でも、科学者だから目立っても良いと思わない?ゼーノ」 ゼーノと呼ばれた弟は溜め息を吐く。 「まぁ、姉貴が良いならそれで良いんじゃない?俺には関係あるわけでも…」 「あるよ、残念ながら」 ティーラはふっと笑う。 「へ?なんで?」 ゼーノはティーラと同じ淡い黄色の瞳を見開く。 「関係者だから☆」 「あ、姉弟だったね。…って事は、学校行けない!」 ゼーノは忘れてたと言わんばかりに叫ぶ。 「馬鹿だね、あんた。低級魔術にスリープあんじゃん」 「あ、そか」 ゼーノはオレンジ色の髪の毛を軽く揺らす。 「あ、早く着替えないと遅刻するから、後片付けよろしく」 ティーラは自分の部屋へ向かう。 「あ゙!?姉貴、卑怯だぞ!ったく…」 ゼーノは溜め息を溢す。 「まぁ、姉貴らしいから良いとするか」 ゼーノは苦笑する。 ダン!! 腕にビリビリと振動が伝わって来る。 「これから、どうしろって言うんだ!?」 ティーラはゼーノに呼ばれるまで、壁に体を預けるようにぐったりしていた。 勿論、街はティーラの話で盛り上がっていた。 「テレビ見た?」 「見た見た!『救いの神』の
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