(vol.1)

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  オレは数時間前、いつものように、トイレでたむろっていた。 「『オレ、絶対この町の中学校、タイマンで制覇出来るぜっ。オレのが強ぇえし!』ってよ、赤木中の牧野(マキノ)が言ってたぜ、ナメてんだろや…」 「呼び出すか?」 「呼び出すわ!」 「朋矢(トモヤ)サン、呼び出します か?」 後輩の、榎本(エノ)がオレに聞いてきた。 「おう!立ち直れないくらいボコボコにしたるわい!オレ一人でやったるわ!おう!立川(カワ)!」 オレは同級生の立川に、呼び出しとけと命令。 「いいけど…朋矢、おまえ、一人で平気か?」 「あぁ、最近はおまえらばっかりだったからな…たまにはオレが出てやる」 「朋矢さん、最高ッす!!」 オレは自慢の金髪をかなり逆立て、エノにどうだ?っとバッチグーをした。 「凄いっす!流石、朋矢サンっ!」 ……………ふっ、確かに立ち直れないくらいボコボコにしてやったわ………。
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