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夕飯の食材の買い出しから帰宅すると、幼なじみが俺の部屋でくつろいでいた。
「お帰りなさいハル」
彼女はなんの気兼ねもなく俺のベッドに寝転がり、実に退屈そうにゲームをしている。
俺は買い物袋を置いて座布団の上にあぐらをかき、くつろぐ幼なじみを正面に見据えた。
「――また合い鍵使って勝手に部屋に入りやがったな」
「その合い鍵をくれたのはハルじゃない」
幼なじみの視線を辿ると、テーブルの上にはこの部屋の合い鍵が無造作に置かれていた。それは確かに俺が彼女に渡した物だった。
「ああ、その鍵は俺がお前に渡した。たげどそれはなにかあった時の為であって、普段勝手に入る為の物じゃねえよ。逆にお前のいない時に俺が勝手に部屋に入ったら嫌だろうが」
留守にしているのだから出直すという発想がお前にはないのか。
「別に入りたかったら入ってもいいわよ」
「って、いいのかよ」
「ただしその頃にはあんたは八つ裂きになっているだろうけどな」
「……なにそのキメ顔?」
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