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どうリアクションを取ったらいいのか困惑していると、幼なじみは俺に向けてゲームを投げて寄越した。
「わっ、とっ、とっ」
「飽きた」
空中でお手玉しつつ、なんとか落とさずにゲームを掴み取る。
「ここのボスなかなか強くて、レベルを上げるのにも疲れたわ。そういうわけで私の代わりにレベルを上げておいてくれないかしら。ただし、ストーリーを進めたらケツの穴から手ぇ突っ込んで奥歯ガタガタいわしたる」
「女の子なんだからもう少し言葉選んで頼むから!」
「それに、上げたレベル次第では私の好感度がぐぐーんと上がる、かもよ?」
と、ウインク一つしてみせる。
様になっている分、逆にイラッとした。
俺はこれから夕飯の支度をしなければならない。異世界でちまちまモンスター狩ってる暇などないのだ。
「嫌そうね。私と家事、どっちが大事なの?」
「家事だろ」
「――シッ」
「ふぎぃっ!」
無言で近づいてきた幼なじみから突き上げるような掌底を鼻にくらった。
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