始まり

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 ふと視線を右に向けると、ニヤニヤとした顔があった。 「ぷぷぷ……。 バレてやんの」 「加賀見! あとで職員室に来い!」 「えぇー! なんで俺だけ!?」  こいつは 加賀見 陸(カガミ リク)  俺の親友で小学校からの付き合いだ。  何故か俺に必要以上に絡んでくる。  趣味は陸いわく、ぼーっとすることと絵を描くことらしいが、真相は不明だ。  まあ、とにかく変なやつだ。  それにしても、何でこいつが俺の親友なのかは甚だ疑問だ。  俺は陸に憐れみの視線を一瞬送ってから正面に視線を戻した。      * * *  この日も学校に行って授業を受けるという固定的な作業を終え、帰路についた。  俺は部活動はやっていないから、放課後はすぐに家に帰る。  俺は1人で帰りたいんだが、いつも俺に付きまとう奴がいる。 ―そう― 「陸っ! 貴様見ているなっ!?」  あぁ、また無駄にエネルギーを消費してしまった。  後で陸にカロリーメイト奢らせよう……。 「うちに気づくとは流石やなぁ……」 「エセ関西弁はやめろ。 そして全ての関西人に謝れ」  ……疲れる奴だ……。  今に始まったことじゃないが……。 「ふっ。 ……さて行こうか、僕達の愛の巣窟へ……」  ……ただ俺の家に行くだけだ。  そこの勘違いした奴はとりあえず逝ってこい。
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