第一声

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「ふうむ…なかなかそなたは賢い男のようじゃ。グラディスよ。」 「恐れ多い…」 グラディスは深々と頭を下げ、一歩下がる。 「…わかった。儂はグラディスが気に入った。ロザリオ姫、そなたを推薦しよう。」 「ありがたき幸せ……っっ。」 そしてロザリオとグラディスは城を後にした。 「良かったですね。姫。まずは第一歩ですね。」 「…礼は言わぬ。それが貴様の仕事だからな。」 「…少しは感謝してるでしょう?」 「さあな。この悪魔っ。」 ロザリオはプイッと顔をそらした。 「姫ってば、本当に正直じゃないんですねぇ。」 「…また、牢獄に戻るか?あの冷たい牢獄に。」 グラディスはふるふると身震いをして、首を横にふった。 「絶対いやです。」 「ならば、頼むから大人しくしてくれ。」 ロザリオはハァ…とため息をついた。 「さて、宿にでも泊まりますか。姫。」 「…外で姫と呼ぶな。」 グラディスはコホンと咳ばらいをした。 「じゃあ…ロザリオ…ブファッ!!!」 「馴れ馴れしくするな!!」
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