第二声

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ロザリオは身支度をすると、グラディスと共に宿を出た。 「さてと…私に反感を持つ輩を押さえ込まねばならぬな。」 「その前に、ユランさんに会いに行かなくていいんですか?」 「あぁ…あの女か。」 ユラン・フィオ・アルウ゛ェ アルマール国だけではなく、スディリチア国などの大きな国の警備部隊の隊長で、荒々しい動きで、敵を殲滅する有名な女だった。 「彼女には姫が女王になったら、警備してもらわなくちゃいけないですからね。」 「…欝陶しい見張りはお前だけで充分だ。」 「見張りって…」 ロザリオはムスッとして、くるりと方向を変えた。 「会いに行くぞ。アルウ゛ェに。」 「ユランさんにですか?それは良かった。」 「…何やら嬉しそうじゃないか。」 「ユランさんとは友人みたいなものですから。」 「…友人か…」 ロザリオはスタスタと歩く。 「私はあの女が苦手だな。」 「別にいいじゃないですか。怒ると恐いですけど。」 「…アルマール国のあいつの家は何処だったか…」
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