3人が本棚に入れています
本棚に追加
/87ページ
「あっちじゃないですか?」
グラディスは指をさした。
「おい。」
「あ、ユランさん!」
「アルウ゛ェ…」
深緑の警備服はショートパンツで、同じ色の帽子には彼女が隊長である証に、十字をかたどったエンブレムが付いていた。
翡翠色の髪と瞳はグラディスとロザリオを一瞬見惚れさせた。
「何をしておるのじゃ。馬鹿者と姫。」
「ば…っ!」
馬鹿呼ばわりさせれたグラディスを押さえ、ロザリオは口を開く。
「今から貴様に会いに行こうと思っていた。」
「なんのようじゃ。」
「私は正式にアルマール国の国王、ギルダー殿にスディリチア国の次期女王に推薦していただくのだ。」
「なるほどのぅ。母上が亡くなられてまだ日が浅いにもかかわらず…か。」
「うるさいぞ。アルウ゛ェ。」
「ユランさん、姫は女王になるべく生まれたお方ですから。」
「馬鹿者め。貴様らに勝手に行動されると困るのじゃ。」
「何故だ。」
「今、アルマール国は治安が悪いのじゃ。そこに一国の姫がこんなヒヨッコと二人なんて、姫に何かあったら、我等はどうすれば良いのじゃ。」
最初のコメントを投稿しよう!