第一声

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ロザリオはムッとした顔をして、湖から出た。 「お体を、お拭きになってください。」 グラディスからタオルを渡され、渋々体を拭う。 「お前、よく平気で私の裸を見られるな。」 「…幼少から拝見してますので。」 「…ふん。今更何も感じぬか。」 ロザリオは体を拭き終わるとタオルをグラディスに渡した。 「私は着替える。…お前は見張っておれ。」 「かしこまりました。」 金に輝く長い髪を一つに縛り、軽薄な笑みを浮かべるグラディスは、ロザリオの忠実な部下。 執事のような下僕のような。 「いけ好かぬ奴め。」 ロザリオは手早く着替えを済ませ、グラディスと共に城へ戻った。 「姫様。どこへ行かれていたのですか。」 城に戻ると、立派に髭を生やした男が近づいてきた。 「…グランド伯爵。何故このようなところに…」 「姫様の御身を心配しましたぞ。」 「…それはそれは…迷惑をかけました。」 「姫様、母上様のご様子は?」 「…后様か。あまりよろしくないみたいだが。」 「そうですか…では次期王位につかれるのは…」 「そんな話…まだ死んでもおらぬ后様に失礼だとは思わぬか。」
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