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囁くように言ったら、斗真が固まる。
「…斗真?」
「…また煽ったな?」
「え!?いや違っ…」
有無を言わさず、ベッドに押し倒されてしまった。
昨日もあんなにしたのに!?
冷や汗をかきつつ斗真を見上げると、斗真がプッと吹き出す。
「え?」
「そ…その焦った顔!!」
こらえきれないといった感じで笑い出した斗真。
最初は呆気にとられていたが、次第に顔が真っ赤になった。
「からかったの!?…もう斗真なんか知らない!!」
本当に焦ったのに!!
ぷいっと横を向いた私に気づき、斗真の笑い声が止む。
ギシ…ベッドの軋む音が静かに響いた。
「…本当はずっと抱いていたいんだ。だけど、赤ちゃんがびっくりするだろ?また明日、たっぷり愛し合おう香奈。」
後ろから聞こえる低い声が首筋に響く。
……もぉ。
これだから女の扱いに慣れてる奴は…。
「あ~あ!!やっぱり好きになるんじゃなかった!!」
「えぇ!?か…香奈!?」
焦りだした斗真に笑いをこらえながら。
5分くらいしたら抱きしめてあげようと密かに思った。
それまでは、この愛しい人を困らせてやろう。
END
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