35人が本棚に入れています
本棚に追加
「おおっ、なんという暴言を! 神よお許し下さい」と思わず呟いてしまった方。そして、「こ、これは! 神をも恐れぬ悪魔の所業じゃ」と感じてしまった方は、ここで立ち止まって下さい。
貴方は、とても神経質な……いえ、極めて繊細な感性の持ち主です。
実は、悪魔などハナっから居ないのです。それは最初から神など居ないのと同様に、人間の願望がつくり出した虚像であり、仮想の敵であるからです。
祈りによって、この苦境を救って欲しい。
絶対的な正義の力で、あの悪いヤツを懲らしめて欲しい。
実は、こうした人間の願望が、『絶大な力を有する神』という偶像を考え出したのです。
悪魔とは、神の正義の力を証明する為に、悪役として登場し、主役に、こっぴどく、やっつけられなくてはならない存在なのです。
引き立て役として、とても重要な役割分担です。
勿論、悪魔などと言うのは虚構(つくり話)です。
なんだったら、悪魔とやらを、この場でどやしつけてみせましょうか?
「こらあ! 悪魔め! 罪もない人を脅かすんじゃない! お前なんぞ世の中の為にならないから消え失せろ!」
ほらねっ、なんでもないでしょう。
悪魔なんて居ないんですから。
最初のコメントを投稿しよう!