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町の酒場でリモンチェッロを飲みながらマフィアの騒ぎが治まるのを待っていたが,なかなか治まる気配が無い。
レオンはバーテンにマフィアについて聞いてみる。
「彼奴等はマフィアじゃないですよ。」
「違うのか?」
「最近やって来た奴がマフィアにも入れないチンピラを使って,観光客を狙ってスリをやってるらしい。確か……ホットウェルとか言うアメリカ人だ。」
「ホットウェル?」
「どうやら観光客に仕事を邪魔されて,その観光客を探し回ってるらしい。あんたも気を付けた方が良いな。」
レオンは酒場を出ると,教会に入る。
(ホットウェルめ,イタリアまで手を伸ばして来やがったか…)
ホットウェルはバーテンが言っていた通りのアメリカのケチなスリ団を仕切っている奴で,レオンはアメリカとイングランドで奴の売上を盗んでいた。
アマルフィが良い観光地であり続けるためにも,レオンはホットウェルを警察につき出す事を心に誓い,準備を始めた。
レオンは教会で町の地図を借りる。 この町はあまり大きくはないし,家同士が隣接しているから,少し詳しい地図さえあれば,建物内部の見取り図なんか無くても大体想像はつく。
侵入に失敗して手下に見付かっても昼間のように路地に逃げ込めば撒けるはずだ。
レオンは暗くなるのを待って,ホットウェルのアジトへ向かった。
流石に3度目ともなると,ホットウェルも警戒しているらしく,アジトの前に見張りを付けていた。%
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