序章~夏休み一日目【1】

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「ただいま」 時は西暦…何年だっけ?俺はそんな細かい事、特に気にしない性質なのである。 俺は家の扉を開け、中で布巾を滑らせていた母にそう言った。 「あれ、いつもより随分早いじゃない。何かあったの?」 …ため息が出る。何のために昨日から「明日は弁当いらない」と、言うまでもない事を言っていたのかを忘れているようだ。 仕方ないのでまた説明する。 「今日終業式。明日から夏休みだよって…今朝も言ったよね?」 母はそうだっけ?なんて言いながら可愛らしく首をかしげたりしている。 そんな正直うざったい母をため息交じりにスルーし、俺は台所に入った。  
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