愉快なきみ達

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「いや、それは風紀以前に生徒として問題だと思うッス。ってか勝手に触っちゃだめッスよ」 リリィが手に取って眺めていた何かのトロフィーをひょいと取り上げたら、むっと睨まれた けれどエイジの言い分の方が正しいのだから文句は出ない そうやって暇を潰していると、唐突に部屋の扉が開かれた 「ああ、待たせてしまったみたいだね。ごめん」 現れた人物は、エイジのよく知る従兄で二人が会いに来たその人だ 「まったくだ。あたしを待たせるなんていい身分だな、ツカサ」 「ちょ、リリィ?! なんてこと言うんスかっ」 「ははは、悪かったね、神崎さん。校舎の破損状況の確認に出ていたんだ」 リリィの暴言にもいつも浮かべている微笑を崩さずに告げられた事情に、リリィの頬がピクリと動く ツカサ──赤井司 エイジの従兄で、この鑪帆学園で風紀委員長を務める3年生だ 成績優秀、容姿端麗の才色兼備な人で、エイジにとって親しい兄のような存在だ 「それで、昨日は星を掴まえられたのかな?」 そして、エイジたちが陥っている事態を知っている協力者でもある 「ああ、うん。ほら」 隣で居心地悪そうに身じろぎするリリィが気になりつつもポケットから小瓶を取り出す エイジとリリィ、二人が集めた星の欠片がキラキラと光り輝いていた 「それはよかったよ。見たところ怪我もないようだしね」 安心したように笑顔ともに司がポンとエイジの肩を叩く 兄にこう言ってもらえるとエイジとしても嬉しい
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