愉快なきみ達

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「はいっ、わたしたちは昼休みの屋上に来ていまーす」 「誰に説明してんだよ?」 どこかで聞いた覚えのあるやりとりをする少女たちの隣で、エイジはシートを広げていた この魔法戦に巻き込まれ、リリィが転校してきてからは皆で昼食を取るようになっていたのだ それぞれがシートの上に座って、エイジはリリィに弁当箱を差し出した 「はい、これがリリィのッス」 「ああ」 赤髪の少女は嬉しそうに受け取っていそいそと包みを解く。そんなに腹減ってたのかな? 「いいよねー、リリィちゃん。毎日エイジくんのお手製弁当でさー」 エイジの対面に座る愛流が、羨ましげに指をくわえていた 「ほしいなー」 「なんだよ、これはあたしのもんだからな。やらないぞ」 「そんなこと言わないで、分けてあげればいいじゃないッスか。愛流は今日もパンなんだろ? おかずいくつか食べていいッスよ」 「ホントっ?」 エイジが申し出ると、愛流は顔を輝かせる。分かりやすく頭の上でアンテナが踊っていた 「いやぁ、だめもとで言ってみてよかったなー。じゃ、いただきまーす」 開いたエイジの弁当箱から、愛流が卵焼きを摘みあげる それを口に運んで表情を緩めるアンテナ少女とは対照的に、リリィは面白くなさそうにぶすっとしていた 「どうしたんスか、リリィ? もしかして不味かったッスか」 その可能性に思い当って問いかけると、リリィはエイジに視線を走らせ慌てたように箸を引っ掴む そして愛流と同じく卵焼きを口に入れて、途端に顔を綻ばせた
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