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しかしエイジが見つめていることに気がつくとまたぶすっとした表情に戻って
「そ、そんなことないぞ。エイジが作ってくれたのは……おいしい」
「そうッスか、よかった!」
顔はしかめているが、リリィがおいしいと言ってくれたことがエイジは嬉しかった
「そんな笑顔……そんな素直に喜ぶなっ。おいしいっても、不味くないに近いおいしいだ!」
照れたように頬を赤らめて声を上げる姿も微笑ましいことこの上ない
「リリィちゃん顔真っ赤ー」
「う、うっさい!」
そんなやり取りを繰り返すうちに昼休みは過ぎる
その様子を遥か彼方から見ている者がいることなど気付くはずもなく
「で、放課後だぞエイジ」
「知ってるッスよ?」
分かり切っていることを言われて答えたら、蹴られた
「?? なんで?」
「ふんっ」
なんで蹴られたんだろう。大量の疑問符を浮かべるエイジを置いてリリィはどんどん先をいってしまう
「だめだよ、エイジくん。リリィちゃんが投げたボールは投げ返してあげないとー」
そう言って愛流も足早エイジから離れ、リリィの隣に並んで声をかけていた
「どういうことッスか……?」
いつリリィがボールなんて投げたんだろう?
というかリリィの場合、投げるより打つ方が断然得意だと思う。打ち砕くとか
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