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「リリィだって、本当は誰かを傷つけるなんて嫌だろ?」
エイジが置いた手の下で、少女の小さな頭がこくりと頷く
「じゃあ、分かるよな? オレはリリィに誰かを傷つける子になってほしくない」
エイジの思いが通じたようで、リリィはすっかりおとなしくなった
「わー、エイジくん。往来で恥ずかしげもなくそんなことを……しかもリリィちゃんを素直に!」
「ぶち壊しッスよもう!」
状況が許さなかったんだから仕方ないだろ
内心、実はかなり恥ずかしかったエイジだった
「……で、立ち話もなんだし公園まで来たッスけど」
「誰に説明してるんですか?」
適当なところに腰かけて、とりあえず落ち着く
エイジの隣には猫のぬいぐるみを抱いたリリィが小さくなって座っていた
その様子が小動物というか、小さな女の子らしく可愛らしい
「にゃはー、かぁいいなー」
ネコミミを装着した愛流が後ろの茂みから目を光らせていたりする
「じゃあ、昨日は上之宮さんが?」
「うん。鑪帆まで押しかけてきてビックリしたッスよ」
ひかるが笑えない笑顔を浮かべる
「昨日は外せない用事があったんですけど……今日はボクも皆さんと戦うことになるんですね」
ボクとは言うがひかるはれっきとした女の子だ
エイジと同じように童顔で、その辺に仲間意識が芽生えていたりする
そして何より、彼女はエイジたちと敵対する上之宮玲菜の仲間なのだ
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