愉快なきみ達

17/18
前へ
/36ページ
次へ
「大変ッスよね、ひかるも」 「そんなことないですよ。上之宮さんもあれで優しい人ですから」 その辺はもう出会いのタイミングでしかない ほんの少し出会うのが遅ければ、リリィも相棒などではなく敵だったかもしれないのだ 「でもその人、昨日凄い顔で追っかけてきたよー? 途中からマジ逃げしたもん」 いつのまにかリリィを捕まえて、その頭にネコミミをつけようとしている愛流の弁だ 「あいつ、性悪のおじょーさまだからな。やめろ愛流っ」 リリィはなんとか逃れようとして暴れている 「あはは……。あ」 そんなじゃれあいを見て笑っていたひかるが、何かに気づいたように顔を上げた 「どうしたッスか?」 その視線を追うと、藍色の空から白い紙がひらひらと落ちてきていた 「なんだ?」 「なになにー? デスノート?」 「いや、絶対違うッスよ」 「……」 紙片を掴んで表面を見つめていたひかるが、無言でこちらに差し出してきた 「えっと……?」 「これ、上之宮さんからです」 困惑するエイジに、ひかるの方は苦笑気味だ 受け取ってみてその理由に気付いた
/36ページ

最初のコメントを投稿しよう!

12人が本棚に入れています
本棚に追加