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「大変ッスよね、ひかるも」
「そんなことないですよ。上之宮さんもあれで優しい人ですから」
その辺はもう出会いのタイミングでしかない
ほんの少し出会うのが遅ければ、リリィも相棒などではなく敵だったかもしれないのだ
「でもその人、昨日凄い顔で追っかけてきたよー? 途中からマジ逃げしたもん」
いつのまにかリリィを捕まえて、その頭にネコミミをつけようとしている愛流の弁だ
「あいつ、性悪のおじょーさまだからな。やめろ愛流っ」
リリィはなんとか逃れようとして暴れている
「あはは……。あ」
そんなじゃれあいを見て笑っていたひかるが、何かに気づいたように顔を上げた
「どうしたッスか?」
その視線を追うと、藍色の空から白い紙がひらひらと落ちてきていた
「なんだ?」
「なになにー? デスノート?」
「いや、絶対違うッスよ」
「……」
紙片を掴んで表面を見つめていたひかるが、無言でこちらに差し出してきた
「えっと……?」
「これ、上之宮さんからです」
困惑するエイジに、ひかるの方は苦笑気味だ
受け取ってみてその理由に気付いた
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