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「うっわ、会長さんキレ―。ねぇねぇエイジくん」
「そ、そうッスね」
どうしてこの子はこんなにお喋りなんだろう
元気は長所だが、空気を読んでほしい。ほら、リリィに睨まれた
「上之宮っ。今日こそコテンパンにしてやるからな!」
まずリリィが啖呵を切る
「あら、神崎さん。それは私のセリフよ。今夜の星は私が……取る!」
玲菜の宣言と同時に、一同の上空に光が降ってきた
流れる星の輝き……星の欠片だ!
手のひらに収まりそうなサイズのその光が、全員のちょうど中間の空中に留まる
それが、開幕の合図だ
この魔法のゲーム。星の奪い合いに際して、一つのルールがある
それは、身を守るためにバトル中は魔法の加護を受ける変身をするというもの
変身といっても大したことはない。衣装が変わったり武器が出てきたりするだけだ
そう、エイジ以外の魔法少女たちは
それぞれの足元に、光を放つ円と記号の図形──魔法陣が出現する
それから立ち昇る光のベールが少女たちを包む
エイジの足元にも魔法陣は展開していた
黒、というか紫色の光がエイジの体を包み、すぐに視界を覆う
光が消えた時、エイジの視点は先程よりずいぶんと低かった
「……やっぱ猫なんスね」
どこからどう見ても立派な黒猫がそこにはいたそうな
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