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みんなの願いが叶えばいい。それが最高の結末だ
だけどそうはならないのだ。誰かが願いに至り他の誰かは膝をつく
だとしても過程は皆同じだから
だからエイジは最後の瞬間まで全員が努力できればと思う
玲菜を助けたり敵対するひかるとも仲良くするのはそういうわけだ
敵ではなく、全員が同じ目標を持つ仲間でありライバル
だから、一つの勝負がどういう帰結を迎えても笑顔で応じることができる
「ぐ、ぬぬぬぬぬ……」
「おーほっほっほ! この勝負私の勝ちですわ!」
リリィが悔しそうに玲菜を睨み、お嬢様は高笑いしている
「おーほっほっほ、って笑ってる」
「あれが地なんスかね?」
というかお嬢様って本当にあんなふうに笑うのか
「や、違うと思いますけど」
でしょうね
結果から言って、今回の勝負は玲菜の勝利だった
エイジたち(いつの間にか加わっていた愛流も)がお喋りをしている間に勝敗は決した
リリィが力任せの大技を繰り出す合間に、隙をついて玲菜が星の欠片を取ったのだ
これは星の欠片を取り合うゲームだ。この勝利に文句のつけようなどない
というわけで、リリィはすこぶる不機嫌になってしまったのである
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