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「雪辱を果たせたわ。あー、スッキリ。神崎さん、這いつくばるのはあなたの方だったわね」
「なんだと!?」
「ス、トープッ! リリィ、どうどう。会長さんも油を注がないでくれッス」
「むぅ……」
唸るリリィの前で、玲菜は何故かエイジの顔を凝視していた
「どうしたッスか? もしかして顔に何かついてる?」
ちなみにエイジはすでに人間に戻っている
「まさか顔だけ猫から戻ってない!?」などと愛流があっちで騒いでいるが無視しよう
「……いいえ。なんでもないわ」
それだけ言って、ふいと顔を逸らしてしまった
ついでにその様子をリリィが猫のようにフーッと睨んでいるのはどうだろう。そんなに悔しいのか
一同が囲む中で、玲菜が星の欠片を瓶のなかに落とした
欠片が瓶の底に触れた瞬間、キラキラとした光が溢れだす
それは瞬く間に周囲に広がって、まるで星空に包まれているかのような幻想的な光景を創り出した
「九宮、エイジ」
その名を呼ぶはずのない声にそう呼ばれて、エイジは「ふぇ?」と素っ頓狂な声で応えてしまった
振り返ると、他のみんなが広がる星空を眺める中で玲菜がこちらを見つめていた
「えっと、会長さん?」
「……玲菜でいいわ」
何故か不機嫌そうな顔でそう言われて、反射的に「玲菜さんっ」と返していた
玲菜の表情がかすかにほころぶ
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