愉快なきみ達

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リリィが言っているのは、昨夜の学校でのことだろう 結果から言って待ち伏せは成功し見事敵対する少女に勝利した しかしエイジは、敵の少女の参加資格を破壊してしまおうと主張するリリィに反対して、意見を押し通したのだ 『礼は言わないわよ。あなたが勝手にしたことなのだから』 それは、助けた少女の去り際の台詞だ。そういえば、彼女の金髪は綺麗だったなと思い出す 「──い、聞いてんのか、エイジっ!」 「痛い!?」 脛を、思いっきり蹴られた。話を聞いていなかった罰か 「リリィには悪いと思ったッスけど、嫌だったんだ。あの子だって叶えたい願いがあって星の欠片を集めてるわけだろうし」 制服のポケットから、小さなガラス瓶を取り出した。底の方でキラキラと粒子が光を放っている 男から渡された器。中に入っているのが、男が集めろと言った『星の欠片』なのだ 「でも、これは勝負なんだぞ。敵に情けをかけるなんて」 エイジの意見に、リリィは少し失速してなおも言い募る。その言い分はもっともだ でもエイジは誰かの願いを摘み取るなんてことは、したくなかった 多分リリィも本心ではそうなのだと思う。ただ、彼女にも叶えたい願いはあるから 「真っ向から勝負しても、きっと勝てるッス。リリィにはオレがついてるッスから」 だから、エイジはそう言った。リリィがハッと顔を上げて、そこにゆっくりと笑みが浮かぶ 「そんなの、当たり前だろ。あたしが負けることなんてないんだからな……お前が一緒なら」 「へ、なんて言ったッスか?」 「な、なんでもない! ほら、早く行くぞっ」 最後の方が聞こえなかったので訊こうとしたら予鈴が鳴って、リリィが慌てた様子でエイジの手を掴んで走り出した その頬が少し赤く見えたのは、多分綺麗な赤い髪のせいだろう
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