36人が本棚に入れています
本棚に追加
=特命係=
朝7時30分
亀山がようやく出勤してきた。
亀山「おはようございます!」
右京「おはようございます。相変わらず元気がいいですねぇ。」
いつものように紅茶を飲みながらの挨拶だった。
カパッ
亀山は缶コーヒーのプルタブを開けた。
その場に立ったまま缶コーヒーを一口飲み
亀山「やっぱり、挨拶は元気よくした方が気持ちがいいっスよ。」
右京「確かに正論ですが君の挨拶は、まるで小学一年生です。」
亀山は少しムカついた表情で後ろを向いて右京に顔が見えないように小声で呟いた。
亀山「あっ、そうですか。どうせ俺は考える事も行動も小学一年生ですよ!」
すると、角田課長が入ってきた。
角田「暇か?」
右京「おはようございます。」
角田「警部殿はやっぱ礼儀正しいね。」
角田は亀山を見て
角田「亀ちゃん。いったいどうしたんだよ?そんなしけた面して。」
亀山「朝から美和子と喧嘩するわ、小学一年生って言われるわ、今日は俺ついてないです。」
角田「お前もいろいろと大変だな。まぁ元気だせよ!事件持ってきてやったから。」
そう言われると亀山は興味を持った顔をした。
亀山「事件っスか?」
角田「ああ。高校でな、一年生の女子生徒が行方不明になったらしいんだが書き置きもないし家出だろうとか本部の方は言ってたけど・・・。」
亀山「家出?それを俺達に捜索しろって事ですか?」
角田「まぁな。上がおまえら特命係はどうせ暇だろうからって。」
亀山と角田が話しをしているところに、さっきまで新聞を読んでいた右京がきた。
右京「その事件について何か手掛かりや情報などはないのですか?」
角田「それが全くないんだよな。・・・じゃ、捜索頑張れよ!」
それだけ言い残すと角田は特命係から出ていった。
亀山「あっ!ちょっと課長!」
角田を呼び止めようとしたが角田は振り向きもしなかった。
亀山は右京の顔を見て
亀山「右京さん。・・どうします?」
右京「情報が無いのならば、情報を集めなければなりません。ですから、まずは聞き込みから始めましょう。」
亀山「わかりました!・・・で、どこへ聞き込み調査をしに行きます?」
こう聞かれた右京は、ちらっと亀山の顔を見た。
右京「そうですねぇ。君に任せますよ。」
そう言うと右京はスーツの上着を着て特命係を出ていった。
亀山「『君に任せます』って、ちょっ、右京さん!待って下さいよ!」
最初のコメントを投稿しよう!