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「………ここ。」
「………はぁ。」
その後ちはやの部活動とやらに数十分間振り回された挙げ句、着いた家は学校から目と鼻のだったという最悪の結果でした…。
だがその結果にたどり着くまでの過程、つまりちはやとの謎の散策の道程は悪いものではなかった。
「帰ってきたのか、ちはや……むぅ??」
「あれ??」
明るく小綺麗な家から出て来たのはちはやの両親と思いきや、坂崎綾乃さんだった。
「綾乃さんが、何で??」
「ここは………綾乃の家だから。」
「綾乃さんの??」
そう言ってちはやが指を差した表札には確かに坂崎と表記されていた、いったいどういう事だろうか…。
「ちはやはな、今私の家に居候しているんだよ。」
「へぇ~…居候ですか。」
その理由を聞こうとも思ったがちはやにも事情があるだろうし、それに気のせいならばいいが俺はその時のちはやの表情に陰りを感じたのだ。
「………さぁ、ちはや早く中に入ってなさい。」
「………分かった、じゃあまた。」
綾乃さんに半ば強引に中へ誘導されるちはや、何か様子が変だ、そして綾乃さんは俺にこう耳打ちをしてきた。
「君は誰かに尾行されている…。」
「……………。」
お、俺ですか??
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