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さてどうしたもんか、俺は背中のちはやを背負い直して善後策を立てようと躍起になる。
「そうだな、まず状況をまとめよう。」
時間・5時過ぎ、周りに人・無、場所・保健室、保健医・出張、ステータス異常・おなごをおんぶ。
エロいっっ、何という状況っっ、エロゲ、圧倒的エロゲ…っっっっ!!
「いや、こんな状況をもし誰かに見つかったら俺は終わりな訳でありまして…。」
綾乃さんあたりならまだ信用があるからともかく、クラスの人とかに見つかったらおしまいだ…。
『痛~…っ、何とかしてぱっと治してもらいたいなぁ。』
『文句を言わないでよ、まぁ…元は私の責任なんだけど。』
「…っ!!」
誰だ誰だ誰だ、外から女の子の声が聞こえます、もうおしまいと思ったその時……俺の体は動きました。
俺は素早くちはやをベッドの上に寝かし、それを純白のカーテンで隠した。
そしてブレザーを脱ぎ、その場にあった白衣を羽織り、そしてマスクとサングラスを着用したのである。
思えばこれが間違いだった。
「失礼しま~す。」
「失礼します。」
その時、喜多村に電流走る。
「た、ゴホ…ッ、どうしました。」
入ってきたのは何と貴乃花さん、いえ…高野花さん、いいえ…高野凛さんと綺麗な先輩でした。
どうやら凛の方は怪我しているのか、さっきからしきりに痛い痛いと連呼している。
しかし医療の知識など皆無な俺にはどうしようもありません、しかも悪い事は連鎖するのか…そう、まだあります。
「本当に痛かったんですから~聞いてますか《生徒会長》。」
「はいはい、だからさっきから謝ってるじゃないの。」
生徒……会長さん…ですか。
もし俺がしている事(気絶した女の子を保健室に連れ込み、保健医に変装し、何食わぬ顔で治療行為を行う)がバレたらどんな処分が下るのかは想像に足りません。
「どど、どこが悪いのかな??」
でも後には引けませんでした。
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