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「ねぇ、あなた…。」
生徒会長(あぁ…そういや名前も知らないんだな)が俺に迫って来る、もう駄目か…。
「申し訳ありませんっっ!!」
もはや何の意味もなさない白衣とサングラス、そしてマスクを脱ぎすて俺は陳謝しました。
「僕は喜多村です、嘘をついてごめんなさい!!」
「嘘………って喜多村くん何か嘘ついた??」
「………。」
凛は全く状況が分かっていない、というのも最初から俺の変装など見破っていたからだろう。
「まぁ…市谷なんて教員はこの高校にはいないから、変だとは思ってたけど。」
「そ、そうすか。」
流石は生徒会長だと言った所か、だがそれにしても何故俺の名前まで知ってたのだろう。
俺は生徒会長に目を付けられるような事はしていないはずだ、まぁ…今まさにしているんだがな。
「で、何でこんな事を??」
「ああ、い、いや…実はですね。」
今の俺の挙動不審さと来たら、警察に職質される間もなく連行されても文句が言えないほどでしたね。
ですが俺はそんなガクブルした手で純白のカーテンを開けました、いや…もちろん中にちはや嬢のベッドがある奴です。
「ぅ……ん。」
呑気に寝ていらっしゃいます、出来ればこの場で起きて弁解のひとつでもしていただけると助かるのですが。
「あなた、まさか……。」
「何もしてないですって…っ、俺の海馬はちゃんと機能してましたよ!!」
俺は頭の中の優秀な海馬社長に激励を送りながら、生徒会長に必死の弁解を続けた。
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