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「どうかしたの。」
「いや…。」
まぁ…俺の評価値は置いといて、ちはやの目が覚めたのは本当に良かったです。
こっちの苦労も何のそのと目をこすりながら呑気にベッドを降りるちはや、若干制服が乱れてて確かにチョメチョメな事があったとも言える状況でしょうか。
「さて、帰るか。」
「部活は………どうしよう。」
残念そうに(ほぼ無表情だが)俺を見るちはや嬢、本来の目的である部活動見学はあえなく失敗した訳である。
まぁ…今日の感じを見る限り、運動部には向いてないという事は分かりましたかね。
「しゃーない、当分は帰宅部で我慢だ。」
「麒鉈玖武、何をする部活動か気になる。」
そんなかっこいい名前(笑)ではありません、どう脳内変換したらそんな厨二丸出しの鉈術の流派みたいな名前が出てくるんですか??
「帰宅部ってのは~あれだよ、みんなより早く帰るのを目的としたシンプルな部活だ、ちなみに俺も帰宅部だがこの部活は流石に嫌だろう??」
「そう、じゃあ帰宅部がいい。」
「そうだろう、じゃあ他の部活…………っていいのかよ?!」
さっきまで部活に入りたいとか言っていたちはやさんですが、案外あっさりと諦めてしまいしました。
いったいどういう風の吹き回しだろう、ちはやはもう服の乱れを整えて帰宅部の活動準備をしている。
「ちはや、帰宅部でいいのか??」
「いい。」
「いいって、何でだ??」
「あなたも帰宅部だから、私も帰宅部がいい、それだけ。」
そう言いながら完全に部活動の準備を終え、俺の保健室の外へと引っ張り出すちはや。
俺が帰宅部だから?
いったいそれとこれとどういう関係があるというんでしょう、ちはやの考えはさっぱり分かりません。
そんな様子を察してか知らずかちはやさんは、理由としてこんな事を口走りました。
「帰宅部になれば早く帰れる、それだけ。」
それだけ、っておい…。
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