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「……??」
「どうかした??」
ちはやの家への帰路を辿る途中、何やら一抹の不安を感じた、いや…不安というか、違和感というか。
俺が尾行されているなんて事は万に一つもないんでしょうが、何かこう……誰かに見られているような感じです。
「いや、何でもない。」
「そう。」
今日はちはや帰宅部デビュー戦である、だからという訳でもないが、ちはやに余計な不安を与える事もないでしょう。
「それよりもちはや…。」
「何……。」
歩みを止める事なくただ前だけ見据えて進むちはや嬢、目と目の会話をしなさいとかそうじゃなくてですね。
「さっきから同じ所をぐるぐる回ってるんですが、何故でしょう…。」
「……。」
ちはや曰わく家は学校の近くにあるそうなのだが、さっきから同じ道をぐるぐると徘徊して一向に着かないのである。
「帰宅部の活動の……時間稼ぎ。」
「ちはや、お前実はアホだろう…いいから帰るぞ。」
つまりはもう少し俺との帰宅部の活動時間を長引かせようという訳ですね、だがそろそろ帰らないと…。
「今日はまだ帰りたくない…。」
「帰りたくないなら仕方無い。」
どうもこんにちは、この意志の弱さこそが僕の真の姿です。
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